立場による呼称の違い・敬語の使い分け
ビジネスシーンの敬語づかいで気をつけたいのは、社外の人の前では社内の人も自分側と捉え、謙譲語または丁重語で話すということです。この場合、人や物などの呼称も使い分けが必要で、たとえ上司でも社外の人の前では呼び捨てにします。
このように“ウチとソト”の関係を意識することは、敬語を使ううえで大きなポイントになります。
立場による呼称の違い
自分側 | 相手側 | |
わたくし | 本人 | ○○様、そちら様 |
弊社、当社、わたくしども | 会社 | 御社、貴社、そちら様 |
私見、考え | 意見 | ご意見、ご意向 |
参上、ご訪問、お伺い | 訪問 | ご来社、お立ち寄り、お越し |
受領、拝受 | 授受 | お納め、ご笑納 |
粗品、寸志 | 物品 | お品物、ご厚志、けっこうなお品 |
家族、家族の者 | 家族 | ご家族の皆様、ご家族様 |
父母、両親 | 両親 | ご両親様 |
立場による敬語の使い分け
敬語は、誰が(行為者) 誰に(向かう先)したことなのか、
敬意を払うべき相手は誰なのか(立てるべき相手)によって、使い方が変わります。
最初は使い分けが難しいかもしれませんが、マスターするコツは実践で使い慣れていくことです!!
自分のことは謙譲語または丁重語
同僚や後輩と話すとき以外は、常に謙譲語または丁重語で。
「明日、伺います」「明日、まいります」
社外の人のことは、尊敬語
状況を問わず、社外の人のことは尊敬語。
「○○様はご覧になりましたか」
上司や先輩のことは尊敬語。ただし社外の人の前では謙譲語または丁重語
社外の人の前では上司も身内。状況に応じた使い分けが必要。
●課長本人の前で
「課長がおっしゃった件、ただいま調べてまいります」
●社内の人の前で
「課長が、そのようにおっしゃっていました」
●社外の人の前で
「課長の○○が、そのように申しておりました」
「先日、○○がお客様に申し上げた件ですが・・・」
同僚や後輩のことは丁寧語。ただし社外の人の前では謙譲語または丁重語
本人と直接会話する場合には、妙にかしこまった言葉づかいも不自然ですが、
友達のようなラフな話し方もNG!社外の人の前では上司や先輩と同様、謙譲語または丁重語で。
●本人の前で
「○○さんが話していた件、いま調べてきますね」
●上司の前で
「○○さんが、そのように話していました」